2023.07.10
ニュースリリース

精神障害者の就業実態や課題を調査

~パーソル総合研究所「精神障害者雇用の現場マネジメントについての定量調査」の一環としてdodaチャレンジを利用する精神障害者205名に調査~

パーソルダイバースは、障害者の転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」に登録している精神障害者の就業実態や課題などを調査しました。本調査はパーソル総合研究所が2023年2月7日から2月28日に実施した「精神障害者雇用の現場マネジメントについての定量調査」の一環として実施したものです。パーソルダイバースは今後も、本調査で明らかになった精神障害者の就業実態や課題をふまえ、約1000名の精神・発達障害者を雇用するパーソルグループ特例子会社としての雇用知見を活かし、精神障害者の多様な雇用創出、活躍のために取り組んでまいります。

「精神障害者雇用の現場マネジメントについての定量調査[障害者個人調査]」

実施主体

株式会社パーソル総合研究所

調査協力

パーソルダイバース株式会社

調査対象

dodaチャレンジのメールマガジンに登録している障害のある就業者 883 名 (有効回答)のうち、精神障害者 205 名

調査手法

WEBアンケート調査(doda チャレンジのメールマガジンで配信)

調査結果

以下をご覧ください。
パーソル総合研究所、精神障害者雇用の現場マネジメントについての定量調査

【調査結果紹介】

今回の調査は、パーソルダイバースが運営する障害者専門の転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」に登録している就業中の精神障害者205名に対し、勤務先での困りごとや不満、雇用形態や年収などの待遇、はたらくことを通じて感じている幸福度などを調査したものです。本リリースではその一部を紹介いたします。

■精神障害者の就業中に困りごと・不満は「成長機会が少ない」「コミュニケーション」
(雇用の現場マネジメントについての定量調査[個人調査]より)

拡大してご覧ください。

就業における困りごとや不安について聞いたところ、障害者枠ではたらく精神障害者は「教育・研修機会が少ない」「仕事が簡単・単調すぎる」など、成長機会のなさへの不満が多い傾向がみられ、加えて、「障害のことで気をつかわれすぎて逆につらい」という声も多くなっています。一般枠ではたらく精神障害者は「人間関係に馴染めない」などのコミュニケーションに関する困りごとや不満が多い傾向が表れています。

■精神障害者のはたらく幸せ(Well-being)の実感度
(雇用の現場マネジメントについての定量調査[個人調査]より)

拡大してご覧ください。

はたらく精神障害者は就業を通じて幸せを感じているか(はたらくWell-being)を調査したところ、一般枠よりも障害者枠ではたらく精神障害者の方が幸せを実感している様子が高い傾向が見られました。その要因として、障害者枠では「職場の障害理解度」や「職場での成長・貢献感」、「職場での信頼関係」を実感している傾向がある一方で、一般枠ではたらく精神障害者は障害を開示していなかったり、開示していても上司・同僚による障害に配慮した行動やコミュニケーションが少ないこと、他の従業員(多くの場合、健常者)との平等な対応や一般的なマネジメント行動が低いこと、精神障害者本人の自己理解や自己開示、セルフケアが少ないことがあげられます。

【考察】企業側の雇用に対する姿勢、同僚・上司の行動が、精神障害者のはたらくWell-beingに影響

雇用する企業側に対する調査では、精神障害者の雇用ノウハウが十分に蓄積されておらず、定着・活躍度や雇用の成功度の評価は低い傾向が表れています。また、一般枠で雇用する企業においては、戦力人材として活躍することや、成果を発揮することを求めない傾向も明らかになっています。そのような雇用側の現状が、はたらく精神障害者の定着・活躍や、はたらく幸せ実感に影響を及ぼしている可能性が伺えます。

また、精神障害者は他障害と比べ、周囲の同僚の行動が、はたらくWell-beingに影響を及ぼす傾向が表れています。具体的には「障害への否定的態度のなさ」や「区別しない対応」「存在承認」などが、精神障害者のはたらくWell-beingに影響している様子が明らかになっています。周囲の同僚や上長の、障害者とともにはたらくことへの理解、職場への配置や雰囲気作りが、精神障害者のはたらくWell-being を高め、定着・活躍を促進すると言えるでしょう。

【パーソルダイバースの精神・発達障害者雇用への取り組み】

パーソルダイバースはパーソルグループの特例子会社として1600名以上の障害のある社員を雇用しており、うち6割にあたる約1000名が精神障害者保健福祉手帳を持つ精神・発達障害のある社員です(2023年4月現在)。多様な特性や能力を持つ障害者社員が定着・活躍できる独自のマネジメントや雇用モデルを創出しているほか、雇用知見をもとにした対外事業を展開しています。パーソルダイバースの主な取り組みを紹介します。

(1)国内最大級の登録者数。精神・発達障害者の就職・転職支援「dodaチャレンジ」 

パーソルダイバースでは、自社での雇用で培ったノウハウをもとに、障害者の転職・就職を支援しています。国内最大級の登録者数を誇る「dodaチャレンジ」では、精神障害への豊富な知識と深い理解を備えたキャリアドバイザーが、就職・転職を目指す精神障害のある方一人ひとりに親身に向き合い、サポートしています。
ご利用者の約半数がうつ病、発達障害の方ですが、そのほかにも統合失調症や双極性障害など障害の種類はさまざまです。精神障害の方の離職率は一年間で50%を下回ると言われる中、当社は就職・転職成功だけでなく、その後の定着・活躍を見据えた丁寧なマッチングときめ細やかな支援を心掛け、高い定着率を実現しています。

(2)定着率9割以上。精神・発達障害の特性に注目した独自マネジメントを実践

パーソルダイバースでは精神障害の「不安が大きくなる」という特性に着目した独自のマネジメント手法を実践しています。独自に開発した定着支援ツールを活用することで、体調管理や生活習慣、自己コントロール、業務状況などを把握し、ケアが必要な社員の早期発見や即時対応が可能になりました。また、
定着支援業務自体のプロセスを標準化することで支援の質の向上させるほか、人員計画策定などの経営判断にも活用しています。これらの取り組みによって、精神障害のある社員の入社後1年の職場定着率は9割を超えています。

(3)延べ1000名以上が受講。雇用ノウハウを基に精神・発達障害者とともにはたらくヒントを伝える「ユニバーサルワーク研修」

パーソルダイバースでは、障害者雇用に取り組む企業の担当者や社員の方に向けた「ユニバーサルワーク研修」を実施しています。
ユニバーサルワーク研修は自社で培った雇用ノウハウを基に、株式会社ミライロと共同開発した研修プログラムです。パーソルダイバースではたらく精神・発達障害のある社員が講師を務め、自らの体験を踏まえて、障害の概要や、職場におけるコミュニケーションの取り方や症状との向き合い方、当事者が安定して活躍してもらうためのポイントなどを紹介します。これまでパーソルダイバース社内で実際に発生した問題や相談、成功例や失敗例などもケーススタディとして紹介しています。2018年より提供を開始した本プログラムは、これまで100回以上実施し、企業や団体の障害者雇用担当者や社員など延べ1,000名以上が受講しています。

ニュースリリース[PDF]

■関連リンク

■本リリースに関するお問い合わせ先

パーソルダイバース株式会社 広報窓口
MAIL:inquiry@persol.co.jp
※折り返しの対応となりますため、メールでのお問合せをお願いいたします。

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