2023.09.25
ニュースリリース

パーソル、中山秀征さん、「仮面女子」猪狩ともかさんらと考える「障害とともに生きる・はたらく2023」イベント開催【事後レポート】

~多様な登壇者が、「障害דはたらくWell-being”」「ニューロダイバーシティ」「就職・転職」をテーマに議論~

「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに掲げるパーソルホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:和田 孝雄)と、同グループで障害者雇用事業を手掛けるパーソルダイバース株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:渡部 広和)は、2023年9月21日(木)、無料の特別オンラインセミナー『障害とともに生きる・はたらく2023』を開催したことをお知らせします。

■イベント概要:

多様なゲストをお迎えし、多様なテーマで「障害とともに生きる・はたらく」を考える

本イベントは2021年より毎年、障害者雇用支援月間である9月に開催しています。障害のある当事者のみならず、ともにはたらく人、支援に従事する人や障害者雇用に取り組む企業など、異なるバックグラウンドや価値観を持つあらゆる方々が、“障害とともに生きる・はたらく”ことについて考え・深めていただくことを目的としています。
本年は2019年2月から一般社団法人 障がい者自立推進機構 パラリンアート運営事務局の理事を務めるタレントの中山秀征さんをはじめ、事故による脊髄損傷により車椅子で活動しているアイドルグループ「仮面女子」メンバーの猪狩ともかさん、「ニューロダイバーシティの教科書」著者でNeurodiversity at Work 株式会社の村中直人さんなど多様なゲストと、パーソルグループではたらく障害のある社員を登壇者に迎え、3つのsessionを実施。障害ある人や障害者雇用に取り組む企業担当者、パーソルグループ社員など400名以上が参加・視聴しました。

■イベントレポート

(※)以下、各者コメントの一部を紹介(敬称略)

【session 1】本音で話そう!「障害דはたらくWell-being”」 ~中山秀征さんと障害のある社員が語る~

(9月21日(木) 12:00~13:00開催)

session1登壇者の清宮さん、渡邊さん、中山さん、モデレーターの元井さんの集合写真

パーソルグループ内ではたらく2人の当事者社員たちと、一般社団法人 障がい者自立推進機構(パラリンアート運営事務局)理事として活躍する中山秀征さんが、障害のある人がはたらくことを通じてその人自身が感じる幸せや満足感、“はたらくWell-being”実感を高めていくために必要なことは何かについて討論しました。

・パーソルテンプスタッフ株式会社 清宮宏章

2004年に網膜色素変性症を発症。現在はコーディネーターとして派遣スタッフへの仕事紹介や就業後フォローなどに従事。

例えば自分は目が悪くなってきている一方で、耳が良くなってきていて、自分の得意とする分野を伸ばし、生かしていくことが大切だと日々感じています。そして、小さな成功を積み重ねていくことが大きな成功に変わっていくきっかけになるのではないかと思います。もし、今障害によって、落ち込んでいる方がいたら、とことん落ち込んでいただいても大丈夫。「障害者雇用」という取り組みもありますし、きっといつかパッと自分の道が開ける日が来ますと伝えたいです。

・パーソルダイバース株式会社 渡邊雅徳

若年性アルツハイマー型認知症を発症。就労移行支援施設の利用者や支援学校の生徒に向けた実習の運営補助に従事しながら、認知症当事者として社会への理解を深める講演活動などを行う。

障害ある人にも何らかの自分の役割分担が与えられるといいなと思います。自分はそれが講演活動などの発信活動でした。それが新たな道筋を見つけることにつながり、逆に認知症になってからのほうが人生が充実してきています。講演活動と仕事で学んだことがお互いの業務にも役立っていますし、誰かに喜んでもらえることが、充実感につながっているんです。
また、自分自身を「さらけ出す」。つまり自己開示していくことで、周囲の理解を得ていくことが大事だと思います。そうしないと会社からは適切な配慮がしてもらえないどころか誤解が生まれてしまい、結果としてはたらきづらくなってしまいます。はたらく個人側は自己開示をしていく、会社側は自己開示をしやすい環境を作っていく、その相互がうまく絡み合っていくことでより良くなっていけばと思います。

・タレント 中山秀征

2019年2月より一般社団法人 障がい者自立推進機構 パラリンアート運営事務局の理事を務める。

実家が群馬の町工場を営んでいて、障害ある方が身近にいる幼少期を過ごしていました。幼少の頃から自然と障害の有無に関わらず皆が一緒にはたらいたり遊んだりしている環境で過ごしていて、そんな中で感じたのは、まず、居場所があること、そして模索をしながらその人の持ち味や得意を生かしていくことが大事ということです。そのためには、まずぜひ外に出て、門戸をたたいてみる。気晴らしに外に出るだけでもいいかもしれません。例えばアートなど、すぐに直接「はたらく」につながることではなくとも、きっと何かのきっかけになると思います。
2人の話を聞いて、皆違って皆いい。自分流でいていいということを感じました。自分では大したことがないと思っていても、実はそれが強みだったりします。ですので、周りの人にどんどん伝えて、オープンにしていってください。


【session 2】ニューロダイバーシティと最先端脳科学から紐解く、障害者雇用と人材戦略の未来

(9月21日(木) 15:00~16:30開催)

session2登壇者の中西さん、村中さん、モデレーターの大濱さんの集合写真

障害による脳や神経の違いを多様性ととらえ、社会で活かしていく「ニューロダイバーシティ」の推進について、脳科学による最新の研究成果を踏まえて、企業の障害者雇用や人材戦略に求められることについて議論しました。

・株式会社NTTデータ経営研究所 ニューロイノベーションユニットシニアコンサルタント 中西智也

脳の構造・機能・ネットワークは一人ひとり違うもので、まったく同じ人はおらず、「平均的な脳」を持っている人はいません。健常者も含め、産まれたときから大人になるにつれて、人の脳はどんどん多様になっていきます。また障害のある人は代償的に他の部分が活発化していたり、特異的な脳の変化が起こりうることが科学的にも明らかになってきており、適切な教育や支援をおこなったり、一人ひとりの得意なことを生かしていくことで、多様な力を生かし、サステナブルな企業成長を実現することにつながっていくのではないかと考えます。

・Neurodiversity at Work株式会社 代表取締役 村中直人

『ニューロダイバーシティ』という言葉は、もともとは自閉スペクトラム者、つまり少数派の脳の持ち主たちの権利擁護運動の文脈でうまれました。けれどもそれは、少数派の脳を「多様性」と表現するためのものではありません。そもそも「平均的な脳」の持ち主はおらず、人間という存在自体が多様だからです。
ダイバーシティ研究の発展で極めて価値の高いイノベーションは多様性の高いチームからしか生まれないことが分かっています。一方でイノベーションの平均値は低くなってしまうこともわかっており、安易な多様性向上の難しさも同時に指摘されています。そうしたことからも、経営課題としてのニューロダイバーシティは「認知的多様性」と「心理的安全性」を同時に実現していくことではないかと考えます。特に「はたらく」において、高い多様性をより良い労働環境に結びつけるためには「アコモデーション」機能、つまり一人ひとりが自分に合ったはたらき方などを調整可能な状態にしていくことが重要です。

【session 3】障害者の転職・就職大会議2023 ~自分らしいはたらき方を見つけよう!~

(9月21日(木) 19:00~20:00開催)

session3登壇者の小鳥遊(たかなし)さん、猪狩さん、木田さん、モデレーターの元井さんの集合写真

アイドルグループ「仮面女子」メンバーの猪狩ともかさん、「要領が良くないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」著者の小鳥遊(たかなし)さんをゲストに迎え、自分にあったはたらく未来を掴むためのヒントを探りました。
また、実際に障害ある人のための転職・就職サービス「dodaチャレンジ」を利用して転職、就業中の障害のある人から寄せられた、転職・就職活動のエピソードや就業中の工夫、はたらく幸せや満足感に対する意見を紹介しました。

・タレント・アイドルグループ「仮面女子」メンバー 猪狩ともか

事故による脊髄損傷により車椅子でアイドルとして活動を続けている。

私の場合は、事故にあってからもアイドルという仕事を続けられて、自分の居場所を感じることができました。メンバーとは長く一緒にいるので、何も言わなくても色々な配慮をしてくれることもありますが、自分からも直接伝えるようにしています。障害のない人がある人に対して、壁を作ってしまう原因の一つは、どう手を差し伸べていいか分からないということだと思うんです。配慮してほしいことを周囲に伝えて、ちゃんとお互いにそれが理解できていれば、仕事を長く続けられるというデータがあると聞き、本当に大事なポイントだと思いました。
今年32歳でアイドルとしては若くない年齢になってきましたが、ファンの方から「猪狩ちゃんから勇気をもらっている」と言われると嬉しくて、これからも頑張ろうと思えています。

・小鳥遊

「要領が良くないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」著者であり、発達障害のある当事者として、自身の経験をもとに、タスク整理や仕事術などを発信。

私は、ADHDの特性として、物事を忘れやすいということがあるので、タスク管理によって忘れても大丈夫な環境を作っています。自分の出来ること、出来ないこと理解して、出来ないことは外部に委託してしまうなど、前向きに対処していくことが大事ではないでしょうか。前向きな「諦める」は良いと思っていて、「物忘れしない自分」になることを諦めて、他の方法で解決する道もある、「諦めることで夢は叶う」と伝えたいです。
また、どんな仕事であれ、終わらせると経験値が上がると思っていて、1つタスクを終わらせる毎にそれを可視化していくと、少しずつそれが自信になりました。そんな風に仕事でのやりがいや充実感を作っていくというのも良いかもしれません。

イベントの詳細な内容は10月以降、パーソルグループの障害者雇用サイト「with」にて紹介する予定です。

パーソルグループは今後も、障害や制約の有無に関わらず一人ひとりの強みや能力を活かしてはたらける機会の創出や、誰もが自分らしいはたらき方を選択し、はたらくことを通じてその人自身が感じる幸せや満足感、“はたらくWell-being”実感を高めていけるよう取り組んでまいります。

■“はたらくWell-being”とは

はたらくことを通してその人自身が感じる幸せや満足感を“はたらくWell-being”と定義しています。
パーソルグループは、多様なはたらき方や学びの機会の提供を通じて一人ひとりの選択肢を広げ、はたらく自由を広げることで、個人と社会の幸せを広げることを目指しています。一人でも多くの方々が自ら選択した仕事やはたらき方で、喜びや楽しみ、さらには人や社会の役に立っていることを実感できる多様で豊かな社会を創造することで、世界中で「はたらいて、笑おう。」を実現していきます。

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■関連リンク

■本リリースに関するお問い合わせ先

パーソルダイバース株式会社 広報窓口
MAIL:inquiry@persol.co.jp
※折り返しの対応となりますため、メールでのお問合せをお願いいたします。

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