テーマ2:業務の切り出し
採用後に現場が混乱しない
「業務の切り出し」のコツ

「せっかく採用したものの、いざ現場で業務を始めてみると上手くいかない……」なんてお悩みはありませんか? 今回は、障害者雇用における適切な業務の切り出し方についてお話しします。

ここがつまずきポイント!

障害のある方でも
できる業務って
どれだろう?
なんとなく
決めておけば、
あとは現場で
何とかなるかな

解決のヒント

業務切り出しは曖昧にせず、

棚卸し・整理・標準化

3ステップで進めましょう!

貴社でもこんな経験は? 採用後の“あるある”失敗ケース

採用後に現場での業務が上手く回らない、安定した就労がなかなか実現できないといったお悩みは、障害者雇用によくある課題の一つです。まずはご相談の多い3つのケースを見てみましょう。みなさんも当てはまるものがあるかもしれません。

ケース1:とりあえず採用

人事側では「とりあえず採用だけして、具体的な業務は現場で決めてもらおう」と考えていたが、実際に就労が始まると現場の担当者が適切に業務を振り分けることができず、障害のある社員もモチベーションが続かず離職してしまった。

ケース2:取り決めが曖昧

「この業務を任せよう」と大まかには決めていたが、いざ担当者に引き継ぐ段階になると「どう処理すればいいのか」「誰がフォローすればいいのか」など詳細が曖昧で現場が混乱してしまった。

ケース3:障害特性と合っていない

定型作業と思っていた業務が、実は非定型(個別の判断が求められるなど)の要素が多く、採用した方の障害特性に合わず大きなストレスを生んでしまった。

いずれのケースも、根本には「業務の“どこをどう切り出すべきか”がハッキリ見えていない」という大きな問題があります。では、どうすればよかったのでしょうか?

まずは「業務の棚卸し」から徹底的に!

「どの業務を切り出すか」を考えるためには、まず「どんな業務があるのか」を徹底的に棚卸しすることから始めます。

その際に避けたいのは、「障害のある方向けの業務はどれだろう?」という頭で考え始めてしまうこと。そうではなく、現場で生じる「すべての業務」を棚卸しすることが重要です。「障害のある方向けの仕事を切り出す」という意識でやると、個人個人の先入観によって、本来任せられるはずの業務を見逃してしまうことがあるからです。

パーソルダイバースがよくアドバイスさせていただくのは、「今日あなたが出勤してから退勤するまでのすべてのタスクを書き出してください」というもの。

ただ、自分たちの業務を客観的に洗い出すのは案外難しいことなので、その場合はパーソルダイバースが現場に深く入り込み、業務内容のヒアリングや整理をサポートさせていただきます。そのうえで、これまでの支援実績や自社での障害者雇用の経験をもとに、どの業務を障害のある方向けに切り出したらよいかアドバイスいたします。

業務の標準化で現場の混乱を防ぐ

業務の棚卸しができたら、次にそれらを定型業務と非定型業務に仕分けます。一般的に定型業務が障害者雇用の業務として適していると思われがちですが、定型業務もそのまま切り出すのではなく、「いかに再編成するか」という視点も必要になります。

例えば、複数の部署で定型的な書類チェックやデータ入力が発生しているなら、それらを障害のある方の業務として一か所に集約します。障害特性に合わせたわかりやすいマニュアルを用意すれば、現場で共にはたらく方々と障害のある社員の双方が混乱しない仕組みを作れますし、組織全体の業務効率化にもつながります。

こうした業務の再編やマニュアル化は、パーソルグループの特例子会社である私たちパーソルダイバースが、日々自分たちの業務においても実施していること。その運営ノウハウを活かし、企業の業務整理や標準化を適宜サポートいたします。

段階的導入で負担を低減することも有効

とはいえ、切り出した業務で本当に上手くいくかどうかは、やってみないと分からないことも事実。もし不安が大きいのなら、比較的シンプルな業務や、切り出しの優先度が高い業務に絞ったスモールスタートでの導入という手もあります。

ある支援事例では、最初はスモールスタートだったものの、障害のある方々のはたらきぶりを部署の方々が直接目にしているうちに「これもお願いできる?」と次々に業務が増えていったケースもあります。無理なく障害者雇用のスタートを切ることができたうえ、仕事が増えていくことで障害のある社員の仕事のやりがいも高まり、非常に成功したケースの一つです。

業務を見える化 パーソルダイバース|業務の切り出し業務を見える化 パーソルダイバース|業務の切り出し

まとめ:棚卸し・整理・標準化の3ステップで、最適な業務の切り出しを

ここまで「現場が混乱しない業務の切り出し方」について説明してきましたが、ポイントをまとめると以下の通りです。

  • まずは業務の棚卸しと分析を通じて全体を可視化する
  • 定型業務と非定型業務を仕分けし、切り出す業務を決定する
  • 標準化(マニュアル化)により、障害のある社員が担当しやすいタスクを明確にする

ここまでできれば、障害のある方も、共にはたらく現場の方々も、安心して就業することができるでしょう。

最初に挙げた「上手くいかなかったケース」のように、切り出す範囲や内容が曖昧なままスタートすると、就労する現場での混乱や早期離職を招きかねません。パーソルダイバースでは業務分析から導入支援、マニュアル化、段階的な実装まで一貫してサポートし、企業と障害者がともに安心してはたらけ、活躍できる体制づくりをお手伝いしていますので、切り出しノウハウに不安がある企業はぜひ私たちにご相談ください。

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