日々誰かのレベルアップが感じられる環境で刺激を受けて自分自身の成長につなげられる場所です。

前職は、はたらくことに困難を抱える若者向けの支援団体に勤めていました。「就職しても続かない」「ずっとニートだったけどそろそろ自立したい」など、いろんな事情を抱えた方々の相談を受けていました。はたらきづらさを経験したことで自身の特性に気づき、障害者手帳を取得して、就労に向かうまでをサポートすることも数多くありました。そんな仕事を続けるうちに、見送るだけでなくはたらくことを直接支援したいと考えるようになったんです。
障害者手帳を取得するのは想像以上に覚悟がいることです。その覚悟とともに自分の障害を受け入れた方々にとって、もっとはたらきやすい職場が増えるように、当時は漠然とそんなことを考えていました。

入社後は定着支援に従事し、障害のある社員や指導にあたる社員がどうしたらはたらきやすくなるのかを、環境と個人の両面から考えています。
福祉支援の分野では、環境を変えることが主なアプローチでした。しかし、実際に社会に出て企業に所属すると、環境改善へのアプローチには限界があることがすぐに明らかになりました。組織は一人ひとりのためだけに存在するわけではなく、特に大きな組織ほど、この事実を受け入れる必要があるという現実に直面しました。本人が自分を理解して変わろうとする部分もないと成り立たない。ずっと福祉をやってきた私にとって、これは大きな見方の変化でした。環境と個人へのアプローチのバランスは正解があるものでなく、だからこその面白さを感じます。

誰かの成長や経験は、他の人への励ましやヒントとなる可能性があります。その相乗効果がもっと生まれる仕組みを、社内でも確立していきたいです。ある拠点で効果的だった支援事例を、別の拠点の問題解決に役立てたり、同じ障害の方同士で集まって、「あるある話」や工夫をシェアし合ったり。会社の規模が大きくなると、横のつながりが薄れて隣の人が何をやっているのかすら知らない状態になりがちです。でも、“仲間の顔が見えること”こそ、この組織の良さだと思っています。経験や工夫をシェアできるネットワークを作り、人財開発がそのハブになっていけたらと思っています。