合理的配慮に対して、企業はどのように考えているのか?

障害者雇用に対する企業の意識は変わりつつあります。当社が2024年に実施した「企業の障害者雇用方針の変化と展望に関する調査」によると、企業は障害のある人材を、法定雇用率の達成だけでなく、事業活動を担う戦力として活用する意欲を高めていることが伺えました。

こうした変化の中、より合理的配慮の重要性は増してきています。合理的配慮の把握・提供は障害者雇用の推進に欠かせない取り組みですが、企業の合理的配慮の成果や課題、負担はまだ不明瞭の部分があります。
そこで本調査では、企業の合理的配慮の実施状況や成果、課題、負担を明らかにし、効果的な方策のヒントを探るために実施しました。

※企業の障害者雇用方針の変化と展望に関する調査結果

調査概要

調査名称 企業の障害者雇用における合理的配慮に関する調査
調査手法 自社会員を用いた、インターネットによるアンケート調査
調査対象者 dodaチャレンジ法人向けメールマガジンに登録している、企業の障害者雇用に取り組む担当者 297名
調査対象者の内訳
事業形態:
一般企業266社(89.6%)/公的機関7社(2.4%)/特例子会社24社(8.1%)
業種:
建設業16社(5.4%)/製造業64社(21.5%)/電気・ガス熱供給・水道業2社(0.7%)/運輸業、郵便業14社(4.7%)/卸売業17社(5.7%)/小売業11社(3.7%)/金融業、保険業28社(9.4%)/不動産業13社(4.4%)/専門・技術サービス業(法律、税務、測量など)16社(5.4%)/飲食サービス業1社(0.3%)/その他サービス業63社(21.2%)/医療、福祉12社(4.0%)/公社、官公庁、学校9社(3.0%)/その他31社(10.4%)
従業員規模:
40人未満2社(0.7%)/40人以上100人未満27社(9.1%)/100人以上300人未満85社(28.6%)/300人以上500人未満29社(9.8%)/500人以上1,000人未満47社(15.8%)/1,000人以上5,000人未満78社(26.3%)/5,000人以上10,000人未満15社(5.1%)/10,000人以上14社(4.7%)
本社所在地:
北海道4社(1.3%)/東北2社(0.7%)/関東188社(63%)/東海39社(13%)/北陸1社(0.3%)/近畿47社(16%)/中国2社(0.7%)/四国1社(0.3%)/九州12社(4%)/沖縄1社(0.3%)
調査期間 2025年2月4日~2月11日
実施主体 パーソルダイバース株式会社

※本調査を引用いただく際は出所を明示してください。
出所記載例:パーソルダイバース「企業の障害者雇用における合理的配慮に関する調査」

調査結果

1.合理的配慮の成果と内容

8割の企業が、合理的配慮の成果を実感しており、成果事例に至っていない企業は19.2%にすぎない。
中でも、最も高かったのは「雇用の安定・定着」(63%)で、次いで「適材適所の配置の際の判断、適切な雇用管理」(48.8%)、「採用時の見極め」(39.1%)。

グラフ:合理的配慮の成果と内容

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合理的配慮の成果あり80.8%(内訳:雇用の安定・定着63%、適材適所の配置の際の判断・適切な雇用管理48.8%、採用時の見極め39.1%、就労意欲の向上30.3%、戦力化・活躍27.6%、その他5.1%)、成果なし19.2%

N=297

従業員規模別で合理的配慮の成果を見てみると、全体の傾向として従業員規模が大きいほど、合理的配慮の成果を実感している傾向がある。
従業員規模が100人以下の企業は、「現状成果と言えるまでの事例に至っていない」が他の従業員規模と比較しても31%と最も高い。

合理的配慮の成果と内容/従業員規模別
全体 100人未満 100人~300人 300人~500人 500人~1,000人 1,000人以上
成果あり 80.8% 69% 77.6% 86.2% 76.6% 80.4%
成果なし 19.2% 31% 22.4% 13.8% 23.4% 19.6%
成果ありの内訳 全体 100人未満 100人~300人 300人~500人 500人~1,000人 1,000人以上
適材適所の配置の際の判断、適切な雇用管理 48.8% 31% 36.5% 65.5% 48.9% 58.9%
採用時の見極め
(自社で受け入れ可能か判断できるようになった)
39.1% 24.1% 30.6% 48.3% 34% 49.5%
就労意欲の向上 30.3% 37.9% 24.7% 24.1% 27.7% 35.5%
戦力化・活躍 27.6% 34.5% 20% 20.7% 23.4% 35.5%
その他 5.1% 10.3% 8.2% 6.9% 0% 2.8%

N=297(複数回答)
N数の内訳: 100人未満:29 / 100人以上~300人未満:85 / 300人以上~500人未満:29 / 500人以上~1,000人未満:47 / 1,000人以上:107

このように企業の8割が合理的配慮の成果を実感しているが、では企業はどのように合理的配慮を把握しているのだろうか。
採用前及び、入社後においての取り組みについて聞いた。

2.合理的配慮の把握

面接前では「人材紹介会社等から提供される情報」(70.7%)、「ハローワークや支援機関から提供される情報」(54.9%)が高く、紹介機関等を介して間接的に情報を把握するウエイトが高い。
また面接時では、76%の企業が「直接応募者本人に確認する」ことによって、情報を取得しており、多くの企業が、面接前及び面接時に、合理的配慮の把握をおこなっていることがわかった。

グラフ:採用決定までの合理的配慮の把握(複数回答)

N=297

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回答内訳:人材紹介会社等から提供される情報70.7%、ハローワークや支援機関から提供される情報54.9%、メールや書類等募集期間中の本人からの申し出40.7%、応募フォームに記入欄を設ける等応募時の本人からの申し出14.5%、その他4.4%、面接時に直接応募者本人に確認する76.1%、募集・採用活動時には特に収集していない3.4%

入社後での取り組みでは、9割を超える企業が、入社後に合理的配慮を把握するために、面談を実施している。
定期面談においては配属先の部署による面談が多く、必要に応じての面談の場合は、人事部が多い。

グラフ:配慮事項を把握するための面談の実施有無(単一回答)

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回答内訳:定期的に面談を実施26.9%、必要に応じて面談を実施29.3%、定期的にかつ必要に応じて面談を実施35.4%、面談は行っていない8.4%

N=297

グラフ:定期面談の実施者

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回答内訳:人事部46%、配属先の部署68.8%、支援機関等の外部機関33.1%、その他10.7%

N=272

グラフ:必要に応じた面談の実施者

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回答内訳:人事部72.8%、配属先の部署70.2%、支援機関等の外部機関37.1%、その他9.2%

N=272

合理的配慮の把握のため面談の実施率を従業員規模別で見てみると、従業員規模が大きいほど、増加する傾向がある。
100人以下の面談実施率は、75.9%だが、1,000人は、99.1%まで上昇する。

グラフ:配慮事項を把握するための面談の実施有無/従業員規模別(単一回答)

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100人未満の回答内訳:定期的に面談を実施34.5%、必要に応じて面談を実施27.6%、定期的にまた必要に応じて面談を実施13.8%、面談は行っていない24.1%。100から300人の回答内訳:定期的に面談を実施28.2%、必要に応じて面談を実施20%、定期的にまた必要に応じて面談を実施37.6%、面談は行っていない14.1%。300から500人の回答内訳:定期的に面談を実施31%、必要に応じて面談を実施27.6%、定期的にまた必要に応じて面談を実施34.5%、面談は行っていない14.1%。500から1000人の回答内訳:定期的に面談を実施21.3%、必要に応じて面談を実施40.4%、定期的にまた必要に応じて面談を実施31.9%、面談は行っていない6.4%。1000人以上の回答内訳:定期的に面談を実施25.2%、必要に応じて面談を実施32.7%、定期的にまた必要に応じて面談を実施41.1%、面談は行っていない0.9%。

N=297
N数の内訳: 100人未満:29 / 100人以上~300人未満:85 / 300人以上~500人未満:29 / 500人以上~1,000人未満:47 / 1,000人以上:107

面談以外の合理的配慮の把握については、社内の相談窓口を設置しているのが、全体の57%で多くの企業が取り組んでいる一方で、外部機関の活用・連携(社外に相談窓口の設置や、支援機関との連携)は39%にとどまっている。

グラフ:入社後の必要な配慮事項を把握・確認するための面談以外に行っていること(複数回答)

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回答内訳:社内の医療従事者(産業医や保健師等)への相談窓口の設置49.5%、合理的配慮の申出窓口(電話窓口、ネット窓口も含む)を社内に設置26.6%、社外の専門機関との相談窓口の設置10.4%、支援機関と合理的配慮の事項についての情報交換34.3%、日報(業務報告や勤務報告)当に必要な配慮事項を記載してもらうようにしている24.6%、合理的配慮の申出窓口や方法の周知35.7%、その他11.8%

これまで見てきたように、多くの企業は、合理的配慮を把握するための取り組みを実施していることが伺えた。
続いて、企業の合理的配慮の提供状況について聞いた。

3.合理的配慮の提供状況

合理的配慮の内容は、身体障害及び精神障害ともに、「障害特性に合わせた業務の創出、業務量の調整」と「上司、同僚からのサポート」が1位、2位を占めている。
総じて、身体障害者に比べ、精神障害者への合理的配慮の実施率が高いが、「就業環境の配慮」と「業務に使う機器の用意」の2項目だけは身体障害者への実施率が高い傾向がある。特に身体障害者と精神障害者への実施率の差は、「業務指示の方法の工夫」が最も多い(18.6pt差)。

グラフ:障害別の合理的配慮の提供状況(複数回答)

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回答内訳は下に続く表と同じ。

身体障害 N=263 / 精神障害 N=227

※労働時間の配慮:休日、休憩、時短勤務等 /就業環境の配慮:オフィス内の座席、在宅やサテライトオフィスでの勤務等 / 業務指示の方法の工夫:マニュアルの作成、メール等を使用したテキストでの業務指示 と報告等 / 上司、同僚からのサポート:定期的な面談や、日報等を用いた、業務の状況の確認等 / 人事部からのサポート:定期的な面談等 / キャリア研修形成に関する配慮:教育研修等

従業員規模で見てみると、規模が大きくなるにつれ、合理的配慮の提供の実施率は高い傾向がある。
他方、「キャリア形成に関する配慮」に関しては、いずれの従業員規模でも低い傾向だった。

障害別の合理的配慮の提供状況/従業員規模別(複数回答)

身体障害
合理的配慮の内容 全体 100人未満 100人~300人 300人~500人 500人~1,000人 1,000人以上
障害特性に合わせた担当業務の創出、業務量の調整 69.6% 55.6% 64.6% 60.7% 76.1% 74.5%
業務指示の方法の工夫 47.5% 33.3% 40% 32% 39.1% 62.3%
労働時間の配慮 66.5% 61.1% 63.1% 53.6% 67.4% 72.6%
就業環境の配慮 67.3% 44.4% 69.2% 42.9% 58.7% 80.2%
上司、同僚からのサポート 67.7% 55.6% 58.5% 57.1% 67.4% 78.3%
人事部からのサポート 45.6% 33.3% 44.6% 42.9% 30.4% 55.7%
業務に使う機器の用意 44.5% 33.3% 41.5% 25.0% 43.5% 53.8%
キャリア形成に関する配慮 23.6% 16.7% 32.3% 10.7% 17.4% 25.5%
その他 6.8% 16.7% 9.2% 10.7% 2.2% 5.9%
精神障害
合理的配慮の内容 全体 100人未満 100人~300人 300人~500人 500人~1,000人 1,000人以上
障害特性に合わせた担当業務の創出、業務量の調整 83.3% 58.8% 88.5% 76.2% 75.0% 89.1%
業務指示の方法の工夫 66.1% 64.7% 59.6% 47.6% 50.0% 79.2%
労働時間の配慮 70.5% 76.5% 71.2% 47.6% 66.7% 75.2%
就業環境の配慮 63.0% 58.8% 57.7% 42.9% 47.2% 76.2%
上司、同僚からのサポート 76.7% 76.5% 75.0% 61.9% 67.4% 84.2%
人事部からのサポート 54.2% 35.3% 53.8% 38.1% 30.4% 62.4%
業務に使う機器の用意 22.0% 23.5% 23.1% 9.5% 16.7% 25.7%
キャリア形成に関する配慮 26.4% 17.6% 32.7% 14.3% 13.9% 31.7%
その他 6.6% 17.6% 5.8% 9.5% 2.8% 5.9%

N=100人未満:29 / 100人以上~300人未満:85 / 300人以上~500人未満:29 / 500人以上~1,000人未満:47 / 1,000人以上:107

※労働時間の配慮:休日、休憩、時短勤務等 /就業環境の配慮:オフィス内の座席、在宅やサテライトオフィスでの勤務等 / 業務指示の方法の工夫:マニュアルの作成、メール等を使用したテキストでの業務指示 と報告等 / 上司、同僚からのサポート:定期的な面談や、日報等を用いた、業務の状況の確認等 / 人事部からのサポート:定期的な面談等 / キャリア研修形成に関する配慮:教育研修等

4.合理的配慮の課題及び負担

合理的配慮の課題について聞いたところ、54.9%の企業が、 「課題は大変大きい」(17.2%)、「課題はやや大きい」(37.7%)としている。他方、「負担は許容できる(82.8%)」、あるいは「負担以上の効果がある(9.8%)」とし、合理的配慮の有効性を感じている。

グラフ:合理的配慮の課題(単一回答)

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課題は大変大きい、課題はやや大きいと回答した企業は半数を超える。回答内訳:課題は大変大きい17.2%、課題はやや大きい37.7%、課題はそれほど大きくない31.6%、課題は大きくない6.7%、課題はない6.7%

N=297

グラフ:合理的配慮の負担(単一回答)

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「負担以上の効果がある」「負担は許容できる範囲である」と回答した企業が9割強。回答内訳:負担以上の効果がある9.8%、負担は許容できる範囲である82.8%、負担は許容範囲を超えている7.4%

N=297

合理的配慮の課題について従業員規模別で見ると、「課題は大変大きい」「課題はやや大きい」と回答する割合は従業員規模が大きくなるほど高くなる傾向にあった。特に1,000人以上では「課題は大変大きい」「課題はやや大きい」の割合が70%を超える。

グラフ:合理的配慮の課題/従業員規模別(単一回答)

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100人未満の回答内訳:課題は大変大きい24.1%、課題はやや大きい20.7%、課題はそれほど大きくない27.6%、課題は大きくない10.3%、課題はない17.2%。100から300人の回答内訳:課題は大変大きい10.6%、課題はやや大きい30.6%、課題はそれほど大きくない41.2%、課題は大きくない8.2%、課題はない9.4%。300から500人の回答内訳:課題は大変大きい13.8%、課題はやや大きい34.5%、課題はそれほど大きくない34.5%、課題は大きくない10.3%、課題はない6.9%。500から1000人の回答内訳:課題は大変大きい25.5%、課題はやや大きい27.7%、課題はそれほど大きくない38.3%、課題は大きくない4.3%、課題はない4.3%。1000人以上の回答内訳:課題は大変大きい17.8%、課題はやや大きい53.3%、課題はそれほど大きくない21.5%、課題は大きくない4.7
								%、課題はない2.8%。

N=297

N=100人未満:29 / 100人以上~300人未満:85 / 300人以上~500人未満:29 / 500人以上~1,000人未満:47 / 1,000人以上:107

合理的配慮の負担を従業員規模別で見ると、100人未満の場合は「負担は許容できる範囲を超えている」は0%になる。その他の従業員規模では、10%弱で推移している。

グラフ:合理的配慮の負担/従業員規模別(単一回答)

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100人未満の回答内訳:負担以上の効果がある20.7%、負担は許容できる範囲である79.3%、負担は許容できる範囲を超えている0%。100から300人の回答内訳:負担以上の効果がある4.7%、負担は許容できる範囲である88.2%、負担は許容できる範囲を超えている7.1%。300から500人の回答内訳:負担以上の効果がある24.1%、負担は許容できる範囲である65.5%、負担は許容できる範囲を超えている10.3%。500から1000人の回答内訳:負担以上の効果がある2.1%、負担は許容できる範囲である89.4%、負担は許容できる範囲を超えている8.5%。1000人以上の回答内訳:負担以上の効果がある10.3%、負担は許容できる範囲である81.3%、負担は許容できる範囲を超えている8.4%。

N=297

N=100人未満:29 / 100人以上~300人未満:85 / 300人以上~500人未満:29 / 500人以上~1,000人未満:47 / 1,000人以上:107

合理的配慮の課題の具体的な内容として最も多かったのは「社内に障害者雇用に関する専門人材の不足」(48.7%)、続いて「社内への周知・理解が進んでいない」(43.0%)と、人材と受け入れのための社内体制に関する課題があげられた。
3番目には「合理的配慮に該当するかの判断が困難」(40.1%)が選ばれており、障害特性に応じて求められる合理的配慮の多様性と必要性の線引きの困難性が浮き彫りになっている。

グラフ:合理的配慮の把握・提供の具体的な課題(複数回答)

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回答内訳:社内に障害者雇用に関する専門人材の不足48.7%、社内(配属先上司同僚)への周知・理解が進んでいない43%、合理的配慮に該当するのか判断が困難40.1%、障害のある社員からの申出がすくない30%、相談体制などの社内体制の整備25.3%、具体的に何を配慮してほしいのか面談等ではわかりづらい21.3%、合理的配慮の提供事項の増加18.8%、合理的配慮の提供方法がわからない11.6%、費用負担の増加7.6%、その他9.4%

N=297

5.合理的配慮の成果で、「戦力化・活躍」を選択した企業の特徴

合理的配慮の成果で「戦力化・活躍」を選択した企業の取り組みについて見ていくと、合理的配慮の把握のための面談の実施率は100%。
また外部機関を通じた面談の実施率も、「定期面談」「必要に応じた面談」ともに全体より高く、外部機関との連携を積極的に行っていることが伺える。

グラフ:「戦力化・活躍」を選択した企業の、合理的配慮の把握(単一回答)

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回答内訳(カッコ内は全体の割合):定期的に面談を実施32.9%(26.9%)、必要に応じて面談を実施19.5%(29.3%)、定期的にまた必要に応じて面談を実施47.6%(35.4%)、面談は行っていない0%(8.4%)

N=82

グラフ:定期面談の実施者

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回答内訳(カッコ内は全体の割合):人事部45.1%(46%)、配属先の部署73.2%(68.8%)、支援機関等の外部機関50%(33.1%)、その他11%(10.7%)

N=272

グラフ:必要に応じた面談の実施者

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回答内訳(カッコ内は全体の割合):人事部74.4%(72.8%)、配属先の部署74.4%(70.2%)、支援機関等の外部機関52.4%(37.1%)、その他12.2%(9.2%)

N=272

合理的配慮の成果で「戦力化・活躍」を選択した企業は、身体障害及び精神障害ともに、合理的配慮の各取り組みへの実施率が、全体と比べて高い。特に「キャリア形成に関する配慮」との差が最も多く、身体障害では21.7ptの差、精神障害では16.5ptの差だった。

グラフ:「戦力化・活躍」を選択した企業の、合理的配慮の提供内容(身体障害)(複数回答)

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回答内訳(カッコ内は全体の割合):障害特性に合わせた業務の創出・業務量の調整80%(69.6%)、業務指示の方法の工夫68%(47.5%)、労働時間の配慮78.7%(66.5%)、就業環境の配慮80%(67.3%)、上司・同僚からのサポート89.3%(67.7%)、人事部からのサポート56%(45.6%)、業務に使う機器の用意58.7%(44.5%)、キャリア形成に関する配慮45.3%(23.6%)、その他9.3%(6.8%)

全体/N=297
合理的配慮の成果で「戦力化・活躍」を選択した企業/N=82

グラフ:「戦力化・活躍」を選択した企業の、合理的配慮の提供内容(精神障害)(複数回答)

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回答内訳(カッコ内は全体の割合):障害特性に合わせた業務の創出・業務量の調整88.3%(83.3%)、業務指示の方法の工夫81.8%(66.1%)、労働時間の配慮77.9%(70.5%)、就業環境の配慮80.5%(63%)、上司・同僚からのサポート92.2%(76.7%)、人事部からのサポート61%(54.2%)、業務に使う機器の用意33.8%(22%)、キャリア形成に関する配慮42.9%(26.4%)、その他7.8%(6.6%)

全体/N=297
合理的配慮の成果で「戦力化・活躍」を選択した企業/N=82

一方で、合理的配慮の課題についてみてみると、全体と「戦力化・活躍」を選択した企業では、大きな差はなかった。
負担に関しては、「負担以上の効果がある」及び「負担は許容できる範囲である」の割合が97.5%に達しており、若干全体より高い数値だった。

グラフ:「戦力化・活躍」を選択した企業の、合理的配慮の課題(単一回答)

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回答内訳(カッコ内は全体の割合):課題は大変大きい12.2%(17.2%)、課題はやや大きい42.7%(37.7%)、課題はそれほど大きくない28%(31.6%)、課題は大きくない7.3%(6.7%)、課題はない9.8%(6.7%)

全体/N=297
合理的配慮の成果で「戦力化・活躍」を選択した企業/N=82

グラフ:「戦力化・活躍」を選択した企業の、合理的配慮の負担(単一回答)

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回答内訳(カッコ内は全体の割合):負担以上の効果がある13.4%(9.8%)、負担は許容できる範囲である84.1%(82.8%)、負担は許容範囲を超えている2.4%(7.4%)

全体/N=297
合理的配慮の成果で「戦力化・活躍」を選択した企業/N=82

調査結果考察

合理的配慮の把握・提供は、これからの障害者雇用の成功には欠かせない。

企業の半数は、合理的配慮の「課題が大きい」とし、特に1,000人以上の従業員規模の場合では70%以上だった。このように課題がある一方で、合理的配慮の成果を実感している企業も80%と、障害者雇用の促進にも寄与していることが伺えた。
特に、合理的配慮の成果で「戦力化・活躍」を選択した企業の場合、より積極的に合理的配慮の把握・提供を行っている実態が明らかとなった。
これは、合理的配慮の目的を「業務を遂行し、成果を出すためのもの」として捉えるのか、あるいは「雇用上の単なる義務」として捉えるのかで、合理的配慮の提供内容やその質、社内体制をどのように構築していくのかは、大きく変わってくるためだと考えられる。
合理的配慮の提供を通じて、どのように“障害者雇用を成功”させていくのか。業務を成果としていくのか。雇用の質向上を求められる社会の潮流の中、この視点が今後より重要になっていくと思料される。

調査レポート資料

※調査結果をまとめた資料を提供しています。下記よりダウンロードいただけます

企業の障害者雇用における合理的配慮に関する調査[PDF]