事業・サービス

就労移行支援の
あきらめないストーリー

はたらく未来をあきらめないために。
多様な人たちが、自らの力で進める後押しを。

パーソルダイバースでは2009年から障害のある方向けの転職・就職支援に取り組んできましたが、精神障害のある方々の雇用がなかなか進まないことに大きな課題を感じていました。その要因には、企業の理解や意識不足だけではなく、求職者や支援員自身の「就職できなくて当たり前、仕方がない」という認識もありました。

しかし実際には、はたらきたいと願い続ける当事者や保護者の方々が多くいらっしゃいます。そこで私たちは「はたらくための準備」をご支援するために、2012年に就労移行支援事業所をスタート。転職・就職支援の前段階から支援をおこなうことで、人材サービス全体として障害者雇用に寄与していこうと考えたのです。

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就職してはたらき、活躍するうえで必要なことを明確に

パーソルダイバースが就労移行支援事業を始めた2012年当初、障害のある方がはたらくためのトレーニング方法は、一般的にもパーソルグループ内でもまだ確立されていませんでした。

支援方法を体系化するために、私たちが着目したのが「職業準備性」です。職業準備性とは、就職してはたらき、活躍するうえで必要な要素のこと。自分の障害を自ら理解すること(障害理解・受容)や、業務遂行のための基本的な能力、対人関係のコミュニケーションスキルなどが指標化されています。この指標を使うことで、利用者が「今何ができていて、何が不十分なのか」を的確に把握できるようになり、適切な訓練プログラムの構築と提供につながりました。

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私たちがこだわるのは、一人ひとりの目標を設定し、
「はたらくイメージを持つこと」

さらに私たちは、すべての利用者に単一の支援を提供するのではなく、一人ひとりの特性や希望、解決すべき課題に合わせた「個別支援計画」を用意し、そのなかでも特に「自分の取り組み」という欄を重視して運用するようにしました。「なぜ自分にこのトレー二ングが必要なのか、自分のゴールは何なのか」を一人ひとりが認識し、支援を受けるという受け身の姿勢ではなく、自主性を促すためです。

また、事業所を実際のオフィスのような雰囲気にすることで、緊張感を持って取り組めるように工夫しています。当社の定着支援事業と連携し、実際に就職先で生じた課題やトラブルケースをプログラム内容に反映させることも。他の事業と連携した就労移行支援を提供できるのは、パーソルダイバースの大きな強みです。「はたらく前の支援」と割り切らず、人材活躍や企業成長までトータルで考えているからこそ、はたらくことへの具体的なイメージを持って主体性を引き出す支援にこだわっています。

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はたらく未来をあきらめない

2019年、私たちは各地で展開していた就労移行支援所に「ミラトレ」という統一ブランド名称を付け、「はたらく未来をあきらめない」というキャッチフレーズで支援コンセプトを表明しました。

私たちはこれまで、難しいご支援も数多く経験しました。例えば、まだ学校を出たばかりで、はたらくこと自体への理解が十分ではない発達障害の若者。あるいは、仕事だけでなく生活面でも困難を抱え、何度もミラトレへの出戻りを繰り返した50代の男性など。それでも私たちは、一人ひとりとじっくり向き合い、ときには利用者の生活や人生そのものにも寄り添うことで、人付き合いが苦手な発達障害のある通所者が就職し、会社から一緒に帰る同僚ができることもありました。諦めない就労移行支援は、私たち自身にとっても、その人の人生においても貴重な成長になる——そう実感できた瞬間でした。

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特定の分野に特化した、
新しい就労移行支援サービスも誕生

障害のある方々を取り巻く労働環境は、年々変化しています。昨今では障害者雇用に占める精神・発達障害のある方の割合が急増していますが、その中には、高い能力や強みがありながらも、障害があるということだけで就労機会を得られない方や組織になじめず躓いてしまう方が多くいらっしゃいます。そうした方々が活躍できる機会を広げるために、パーソルダイバースでは強みを活かせる分野に特化した新しい就労移行支援にも取り組んでいます。

2019年に開設された「Neuro Dive(ニューロダイブ)」は、先端IT分野に特化した就労移行支援事業所です。DX(デジタルトランスフォーメーション)の広がりによって先端IT領域の重要性が高まり、それに従事できる人材不足が社会課題となる今、ニューロダイブはもはや就労移行支援の枠組みにとどまらず、高度デジタル社会の発展にも寄与しています。

今後もパーソルダイバースでは、個々の能力や時代の変化を捉えた就労移行支援事業を通じ、はたらく意志や想いのある多様な方々へのご支援を続けていきます。